職業安定行政史

 人と職業との結びつきは、古い。人が存在し、そして職業が存在する限り、その結びつきがあるのは当然である。人と職業との結びつきをあっ旋すること(いわゆる職業紹介に該当)もかなり古くからあったものと思われる。
 人手の欲しいところから頼まれて、それに相応しい人を探して世話する。働きに出たい者に、働き口を見つけてやる。こんなことから、職業紹介が自然発生的に生まれたことが推測される。しかし、職業紹介が組織的に行われるまでには、相当な時間が必要であった。

 職業安定行政とは何か。行政の内容としては、雇用の安定、労働力の需給調整、失業の予防や対策、雇用福祉などがあげられる。
 職業安定行政の最も大きな柱は、職業紹介である。職業紹介は、求人者と求職者の間に立って雇用関係の成立をあっ旋することをいう。

 ここに、職業紹介という“業”を通じた日本の歴史、職業安定行政の歩みを明解かつ的確に記した、故中島寧綱氏著「職業安定行政史」(労働省職業安定局監修、昭和63年(社)雇用問題研究会発行・現在は絶版)を紹介し、職業安定行政に関わりのある諸氏にはもちろん、行政に関わりのない方にとっても、素晴らしい知識を提供するものであります。

中島寧綱(なかしまやすつな)

大正6(1917)年 佐賀県生まれ。
内務省社会局、厚生省を経て労働省勤務。職業安定局参事官、同労働市場センター室長等を歴任し退官。元(財)日本職業協会常務理事。

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